慢性閉塞性肺疾患(COPD)の手術療法:適応を限定し機能不全に陥っている部分を切除
-咳痰の病気(慢性閉塞性肺疾患COPD)

近年、重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する新しい治療法として注目されているのが外科手術療法です。肺気腫(ハイキシュ)でうまく働けなくなっている部分を切除して、残っている良い部分が働きやすいようにするもので、「肺容積減少手術」と呼ばれます。開胸して行なう場合と、胸腔鏡(内視鏡)を用いて行なう場合があります。
手術療法による1秒量(息を努力して[力を込めて]吐き出したときに呼出される空気量[努力肺活量]のうち最初の一秒間に吐き出された量)の改善率は50%が目安とされていますが、その効果がどれだけ持続するのかはまだよくわかっていません。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の手術療法には危険も伴い、最悪の場合には、死亡例もあります。
したがいまして、手術療法の適応は慎重に検討されます。手術療法の適応を検討するに際して、まずは、診断の確定した安定期の肺気腫(ハイキシュ)の患者さんで、年齢は80歳未満、ほかの治療法を可能な限り行なっても、効果が限界に達している、ヒュージョーンズ分類(下記を参照ください)の3度以上の呼吸困難があることが条件となります。そのほかには、リハビリテーションに耐えられる日常生活の能力や、禁煙などのライフスタイル面の要件も満たしていなければなりません。また、肺胞(ハイホウ)の破壊箇所が肺の中で分散している場合などには手術はできません。いずれにせよ、危険や限界も承知した上での、患者さん本人の強い希望が大前提となります。

ヒュー・ジョーンズ分類(呼吸困難の程度)
「ヒュー・ジョーンズ分類」とは、日常生活に則して、呼吸困難の程度を評価するための指標の1つです。在宅酸素療法や手術の適応を検討する際にも、ひとつの目安として用いられます。
- 1度:同年齢の健康者と同様の運動・労作が可能で、歩行、階段の上り下りも健康者並みにできる
- 2度:同年齢の健康者と同様の歩行が可能だが、階段の上り下りは健康者並みにはできない
- 3度:平地でも健康者並みには歩けないが、自分のペースでなら1キロメートル以上歩ける
- 4度:休みながらでなければ、50メートル以上歩けない
- 5度:会話、衣服の着脱にも息切れがする。息切れのために外出できない
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