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塵肺:粉塵の中で長年働いていた方に多く見られ、病態を元に戻せず、退職後も病態は続く

- 咳・痰の主な病気

塵肺:粉塵の中で長年働いていた方に多く見られ、病態を元に戻せず、退職後も病態は続く

塵肺の原因:多量の粉塵が肺に吸入されることにより肺機能に異常をきたす職業病

 塵肺(ジンパイ)とは、粉塵(フンジン)を肺に多量に吸入したことが原因で、肺に線維増殖性の変化が起こる病気です。塵肺(ジンパイ)は、炭坑や工場など、粉塵(フンジン)の多い職場で長年にわたって働かれていた方に多く見られる職業性の肺疾患です。
 塵肺(ジンパイ)の原因となる粉塵(フンジン)には、「無機粉塵(鉱物性の粉塵)」と「有機粉塵(動植物性の粉塵)」があります。有機粉塵も肺に線維増殖性の変化をもたらすことがありますが、1978年に定められた現行のじん肺法では、職場で吸入した無機粉塵が原因となっている場合のみ「塵肺(ジンパイ)」と呼びます。
 塵肺(ジンパイ)の原因となる無機粉塵には、非常に様々な種類があります。粉塵の中でも、粒子の大きなものは、主に気管や気管支などの太い気道に沈着するため、上皮細胞の線毛の働きによって体外に排出されやすいのですが、2〜5マイクロメートルの小さい粒子は細気管支や肺胞(ハイホウ)などの末梢(マッショウ)気道に沈着します。これが、肺の線維化をもたらしたり、肺胞(ハイホウ)を破壊したり、腫瘍(シュヨウ)を発生させたりなど、肺に様々な病変をもたらすのです。粉塵(フンジン)の吸入によって変性した肺は、再び元には戻りません。その後、粉塵を吸わなくなっても、治療を施さない限り、病気は進行します。

塵肺の原因となる主な粉塵

  • 遊離珪酸(ユウリケイサン):珪肺(石の加工、陶器製造、ガラス製造業など)
  • 石綿(イシワタ):石綿肺(石綿=アスベストを扱う工場)
  • アルミニウム:アルミニウム肺(アルミニウムを扱う工場)
  • 炭粉:炭肺(炭鉱内作業)
  • 鉄:鉄肺(電気溶接作業)
  • セメント:セメント肺(セメント製造業)

塵肺:粉塵の中で長年働いていた方に多く見られ、病態を元に戻せず、退職後も病態は続く

塵肺の症状と経過:自覚症状は突発的な呼吸困難で、肺結核などを合併も

 塵肺(ジンパイ)は若年者には少なく、粉塵(フンジン)の多い職場で働いていた中高年に多く見られます。この原因として、粉塵(フンジン)を吸い込んでも、実際に発症するまでには早くて5〜15年、通常では20年以上を要するからです。
 塵肺(ジンパイ)を発症しても、初期にはこれといった自覚症状は無く、進行とともに活動している最中に「息切れ(呼吸困難)」を伴なうようになります。さらに病状が進行すると、咳(セキ)や痰(タン)などの症状も見られるようになり、「慢性呼吸不全」を引き起こします。慢性呼吸不全が酷くなると、着替えをしたりトイレに行ったりするなどのちょっとした動作でも呼吸が苦しくてたまらないという状態になります。塵肺(ジンパイ)を発症すると、「肺結核(ハイケッカク)」、「結核性胸膜炎(ケッカクセイキョウマクエン)」、「続発性気管支炎」、「続発性気管支拡張症」、「続発性気胸(ゾクハツセイキキョウ)」、「間質性肺炎」、「肺気腫(ハイキシュ)」、「肺ガン」などといった病気も合併しやすくなります。特に、塵肺(ジンパイ)の患者さんは肺結核を合併する可能性が高く、経過を悪化させる要因となります。

 

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